13年引きこもった人のお話

13年引きこもった40代男性が社会に少しずつ関わっていこうと思い、記録を綴っています。

新聞配達はバイトじゃない

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Pixabay


請負契約の配達員はリスクの塊

※あくまで私のケースということです。もちろんパートやアルバイトのような雇用契約もあるはずです。


ブログを書くときに「新聞配達のバイト」と書いていましたが、普通に考えたら給与が歩合制という仕組みと勤務形態(休みは月に1度あるかないかの休刊日のみ)でアルバイトという雇用形態はありえません。
私自身、雇用形態も調べずにこれバイトじゃなくて請負契約だろうとぼんやりと感じていたくらいですが、冷静に考えるといざというときのリスクを全部自分に負わされることから、非常にリスキーな仕事ということを認識しておく必要があります。
新聞配達員がバイト・パートではなく、請負契約の場合は以下のような特に以下のような点が問題になりえます。


・給与が時間給ではないため、時給計算したら最低時給を下回ることもあり得る。残業とか深夜手当なども当然ない。
・そもそも労働者ではないため4週4日の休日とか有給休暇とか労働者のあらゆる権利が適用されない
・健康保険や厚生年金などの社保もないため、請負契約者でも入れる社保に自分で加入するしかない
・車両のリース料を取られることがある(私のとこだと1日100円)
労災保険が適用されない恐れ、配達先の物を壊したりしたときの補償が自腹


他にもいろいろありそうですけどね……。とりあえず思い浮かんだものだけ。
特に最後の事故は非常に怖いですね。いざというときは新聞販売店は請負契約を盾にまったく助けてくれないと思われます。判例(昭和22.11.27 基発400号)では実態から鑑みて配達員も労働者と判断されることもあるようですが、何れにせよ事が起きれば面倒なことになるのは間違いありません。


毎年結構な数の配達員が死んでる

新聞配達の仕事は労働災害が多いことで知られています。交通事故に加えて、足元が暗かったり濡れていたりで足を踏み外して事故に遭う方も大勢います。
例えば以下の「新聞販売業の労働災害発生状況について」という「日本新聞販売協会」のサイト内にある資料では平成26年11月末時点での労災件数は死亡事故が30件、休業4日以上の死傷災害は1,979件に上っています。

新聞販売業の労働災害発生状況について
http://www.nippankyo.or.jp/products/topics/jpg/%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%81%BD%E5%AE%B3%E7%99%BA%E7%94%9F%E7%8A%B6%E6%B3%81.jpg

内訳を見ると死者はやはり交通事故に占める割合がほぼすべてですが、休業4日以上になると約半分と、交通事故以外にも気をつけるべきことが多い仕事だとわかります。


もう1つ滋賀労働局が発表している資料ですが、こちらも県内で毎年約1人の配達員が交通事故で死んでいます。県内で毎年1人死ぬって結構な確率だと思いません?自分がそれに該当する日がいつ来てもおかしくありません。

https://jsite.mhlw.go.jp/shiga-roudoukyoku/var/rev0/0121/7858/201561110528.pdf


でも続けるしかない……

今回すごくネガティブな記事を書いてしまいましたが、始めたばかりの新聞配達の仕事をお前はもう辞めたくなったのか?と聞かれると、そうではありません。まー私のような経歴だと他に仕事もなかなかないですし、配達自体はわりと自分では好きなんだとわかってきました。
時給で換算すると私も最低時給を下回りますし、この業界は斜陽なのでこの先よくなることもないでしょう。何より今は何かを続けて、新しい仕事を探すときに「ほー少しはこのおっさん頑張っとるな」と思われるためにも継続して毎日の積み重ねをやっていくしかありません。20年以上それを怠っていたので手遅れですが、それでもやらないよりかは……
とにかくいざというときの保証もまったくないので、事故だけは気をつけましょう。